第9話、物語が一気に核心へ近づいたはずなのに、安心どころか不安が倍増した。
高木将(間宮祥太朗さん)が“犯人”と向き合う場面、空気が張りつめすぎて画面越しでも息苦しい。
真相が明かされたはずなのに、どこかスッと腑に落ちない感覚が残る。
答えを出したようで、さらに謎を置いていく、このドラマほんと油断できない。
タイムカプセルDVDが示した過去の重さ
DVDに映っていたのは、瀬戸紫苑(吉田帆乃華さん)の姿。
5年生の頃、高木将(間宮祥太朗さん)たちと同じクラスだった少女。
クラス替え直後に始まったいじめ、不登校、そして転校。
映像として突きつけられると、過去が急に現在に引きずり出される感じがして苦しい。
子どもの頃の無自覚な残酷さが、大人になっても消えない傷になるのが、静かに刺さってくる。
紫苑の現在と「もういない」という事実
成長した瀬戸紫苑(大後寿々花さん)が、プロのピアニストになっていたという事実だけでも衝撃。
しかも、その婚約者が刑事・宇都見(木村昴さん)だったと分かった瞬間、頭が追いつかない。
さらに追い打ちをかけるように、「紫苑はすでに亡くなっている」という情報。
夢を叶えたその先が語られないまま終わっているのが、あまりにも切ない。
高木が娘の花音(宮崎莉里沙さん)を連れてピアノ教室を訪れていた過去までつながって、全部が一本の線になる。
隆弘の死と、宇都見(木村昴さん)の告白
クラスメートの隆弘(森本慎太郎さん)が殺害されたニュース。
高木将(間宮祥太朗さん)が呆然とするのも当然で、見てる側も言葉を失う。
そこへ現れた刑事・宇都見(木村昴さん)が、淡々と告げる「全員、俺が殺したんだ」という言葉。
あまりにもストレートで、逆に現実感が薄い。
感情を爆発させるでもなく、静かに語るからこそ、不気味さが残る告白だった。
“犯人判明”なのに消えない違和感
犯人が自ら名乗り出る展開って、普通なら一息つけるはず。
でも今回は、むしろ疑いが増える。
宇都見(木村昴さん)ひとりで、ここまで計画的に?という引っかかり。
紫苑の死、DVD、タイムカプセル、過去と現在の重なり。
全部が一人の動機だけで片付くようには見えなくて、どこかにもう一段深い闇がありそう。
第9話の余韻とSNSのざわつき
放送後、驚きの声が一気に流れるのも納得だった。
「想定外」「予想できなかった」という言葉と同時に、「まだ裏がありそう」という感想が多いのが印象的。
答えを見せられたのに、納得できない。
その違和感こそが、このドラマの強さなんだと思う。
真実に近づくほど、信用できるものが減っていく感覚がクセになる。
まとめ
『良(い)いこと悪いこと』第9話は、“犯人判明”という大きな山場なのに、終わった気がしない回だった。
高木将(間宮祥太朗さん)の過去と向き合う苦しさも、紫苑という存在の重さも、全部が胸に残る。
宇都見(木村昴さん)の告白は答えでありながら、新たな謎の入口にも見えた。
単独犯で終わる物語には、どうしても思えない。
次の展開で、どんな真実が裏返るのか、不安と期待が同時に膨らんでる。
(こころん)

