第3話、空気がずっと張り詰めてた。
高村樹(草川拓弥さん)の「笑った顔」がやっと見れたと思ったのに、すぐその笑顔が焼け落ちるみたいな展開。
球技大会なんて平和そうな響きなのに、全部カトウ(細田善彦さん)の仕掛けだったなんて…。
「更生プログラム」のはずが、どんどん地獄の方向に進んでるの怖すぎる。
「逃げろ」の文字から始まる、違和感の正体
壁に書かれた「逃げろ」。
たった3文字なのに、施設の静けさを一瞬で壊す。
高村樹(草川拓弥さん)はずっと冷静なのに、目の奥では何かを疑ってる。
金網のフェンスで囲まれた場所、出られない空間、なのに“自由を語るプログラム”。
この構図だけで背筋がぞくっとする。
外の世界より中の空気の方がよっぽど不穏で、見てるこっちまで閉じ込められた気分になる。
球技大会という名の心理実験
カトウ(細田善彦さん)が提案する「協調性を高めるドッジボール」。
最初から嫌な予感しかしない。
でも、樹(草川拓弥さん)は真剣に参加してて、そこがまた切ない。
ボールを当てられて「ドッジボール知らない」って言葉を口にした瞬間、空気が止まった。
この一言が、彼の“普通じゃない人生”を一気に説明してくれる。
学校に行ったことがないって、さらっと言うけど重さが違う。
運動も笑顔も全部が初めてで、だからこそ、彼の小さな笑顔が光る。
差し入れのシーンがあたたかすぎて逆に不安
理子(渡邉美穂さん)が持ってきた差し入れをみんなで食べる時間。
樹が「新鮮だな」って呟くところ、ほんとに柔らかくて優しい。
琥太郎(高野洸さん)や夢愛(井頭愛海さん)、翔太(吉田健悟さん)の笑顔も自然で、ようやく人間らしい空気が流れる。
でも、観てる側はもう知ってる。
このドラマに“平和なまま終わる時間”なんて存在しないことを。
穏やかさの裏に、何かが動いてる音が聞こえる気がして落ち着かない。
小屋に閉じ込められた夜、善意が地獄に変わる瞬間
仲良くなれたと思ったのに、次の瞬間には裏切りが始まる。
カトウ(細田善彦さん)の罠にまんまとはまり、樹(草川拓弥さん)と理子(渡邉美穂さん)が小屋に閉じ込められる。
外から火の手が上がる描写、呼吸が止まるほどの緊迫感。
理子の焦り方が現実的で、まるで自分の命より評価を守ろうとしてるみたいで痛かった。
樹が冷静なのが逆に不気味で、彼の中の何かが他の人とは違う温度で動いてるのを感じた。
そして、火の中で助けに来る琥太郎(高野洸さん)。
「ありがとな、おかげで助かった」っていう一言が、命の重みを知ってる人の声だった。
監視するカトウ(細田善彦さん)の笑顔が一番怖い
助かったのに、全員の心は救われてない。
疑い合う空気が漂う中、防犯カメラ越しに「どんどん醜い根性を見せてください」と微笑むカトウ。
その笑顔が一番地獄。
人の善意を試して、壊して、観察して笑う姿がゾッとする。
このドラマ、怖いのは“悪人”じゃなくて“善意を信じること”そのものなんだって思った。
まとめ
第3話は、樹(草川拓弥さん)の中の“人間らしさ”が少しだけ顔を出したのに、それを容赦なく潰す展開だった。
笑顔も感謝も、全部が地獄の材料にされていく感じ。
でも、だからこそ樹が次にどんな顔で立ち上がるのかが気になる。
「地獄は善意で出来ている」ってタイトル、まさにそのまま。
この優しさの終着点がどこにあるのか、怖いけど見届けたくなる。
(さくらん)

