第2話、まるで誰かの本音を盗み聞きしたみたいな回だった。
小倉渉(北村有起哉さん)と妻のあん(仲間由紀恵さん)、ただの夫婦げんかじゃない。
「子どもが二十歳になったら離婚する」っていう約束がずっと残ってたなんて、胸の奥がキリってなった。
でもこのドラマ、泣けるだけじゃなくて、どこかあたたかいのがズルい。
台風の夜に始まった静かな嵐
「たそがれステイツ」に住む三世帯が一つの家に集まった夜。
そこから、あん(仲間由紀恵さん)が渉(北村有起哉さん)に離婚の約束を切り出す流れが唐突なのにリアル。
息子の順(小瀧望さん)はもう成人していて、娘のゆず(近藤華さん)が二十歳になるまであと54日。
数字が具体的すぎて、カウントダウンが始まった感じ。
寝てるゆずに気づかれないように、二人が家を抜け出して車に乗るシーンは、音を立てない分だけ空気が重かった。
車の中でぶつかる“本音”と“現実”
渉(北村有起哉さん)とあん(仲間由紀恵さん)が車の中でぶつかる場面、言葉よりも沈黙の方が痛い。
いつもの洗車場で、お互いに怒りながらも息を合わせてホースを動かす姿に、長年の癖みたいな絆を感じる。
言い争いと協力が同時に進んでるの、まるで“夫婦あるある”の象徴。
ここで渉が言葉をぶつけるたび、あんの目が静かに冷めていく感じがリアルで、胸がざらついた。
奈央(小野花梨さん)と志保(石井杏奈さん)の夢が夜を照らす
二階の奈央と志保が夜中に見つけたキッチンカーのくだりが、全体のトーンをやわらげてた。
リサイクルショップに並んだ理想の車を前に、「これだ!」って顔をする二人。
でも金額を見た瞬間にしゃがみ込む、その現実の重さがちょっと切ない。
夢と現実が隣に並んでる構図が、このドラマっぽくて好き。
結局買えないけど、希望を見つける瞬間はちゃんと映ってた。
“たそがれステイツ”の夜会、優しさとバレた気持ち
娘のゆずが出かける夜、あんと二人きりになりたくない渉が、慎一(草刈正雄さん)にお願いしてみんなを呼ぶ流れ。
でも結局、あん(仲間由紀恵さん)にはバレる。
その瞬間の、空気がすっと変わる感じが絶妙。
さとこ(阿川佐和子さん)があんの本心を引き出すシーンでは、静けさの中に本音が落ちていく音がした。
周りの奈央(小野花梨さん)や志保(石井杏奈さん)も気づいていて、優しさで包もうとする空間がやけに温かかった。
あん(仲間由紀恵さん)の“母だけじゃない”叫び
あんが「母としてだけ生きるのに疲れた」って言った瞬間、心の奥で何かがほどけた。
渉(北村有起哉さん)は混乱して、何も言えなくなるけど、無言が全てを語ってた。
それは「嫌いになった」じゃなくて、「自分を取り戻したい」っていう静かな宣言。
SNSでも「わかる」「自分もそう思った」って共感があふれてて、あんの言葉が多くの人の代弁みたいになってた。
優しいけど逃げない、そんな強さが残るラストだった。
まとめ
第2話は、夫婦の長い時間が積み重なった結果の“静かな爆発”。
北村有起哉さんの渉は不器用だけど本気で、仲間由紀恵さんのあんは優しさと決意を同時に抱えてる。
奈央(小野花梨さん)と志保(石井杏奈さん)の夢も、彼女たちの未来をほんの少し照らしてた。
“家族”の形が変わっていく瞬間を、こんなにもやわらかく見せてくれるのがこのドラマの魔法。
笑ってるのに泣きそうになる夜だった。
(ゆめのん)