巧巳と凜、それぞれの“帰る場所”に揺さぶられる第7話
第7話は、巧巳(橋本将生)と凜(恒松祐里)が、それぞれの“現実”と向き合うターニングポイントとなる回でした。
巧巳は、凜希(恒松祐里/凜の双子)の残した証拠品を回収するため東京に戻りますが、凜の失踪が思った以上に大騒ぎになっていることを知り動揺します。
そして実家で母親と対面したことで、これまで抑え込んできた感情が一気に溢れ、彼の心が大きく揺らぐ様子が印象的でした。
「もう逃げ続けるだけではいけない」──そんな決心を固める巧巳の姿は、第7話の象徴とも言えるシーンでした。
良かったこと
巧巳の揺れる心が丁寧に描かれた
母親との再会により、罪悪感・後悔・未練といった複雑な感情が巧巳の中で混ざり合い、
“逃避行の延長線”ではなく、“人生の岐路”へと物語の質が変わった瞬間が強く伝わってきました。
これまで沈黙が多かった彼の内面が、少しずつ言葉になり始めた点が非常に良かったです。
アイドルAMELの愛衣那の登場が物語を一気に動かす
沙嶺に一人残された凜のもとへ、同じグループの愛衣那(永瀬莉子)が現れるという予想外の展開。
ふたりの再会シーンは繊細でありながら緊迫もしていて、
「敵か味方か」「彼女は何を知っているのか」という視聴者の期待と不安を大きく揺さぶりました。
愛衣那の存在は、凜が抱えていた孤独を一時的に救う光でもあり、
同時に物語をさらに“危険な方向”へ加速させる鍵にもなっていました。
気になった・もう少し欲しかったところ
凜と愛衣那の会話にもう少し核心がほしかった
緊迫した再会ではあったものの、ふたりの本音を探り合う場面が短く、
愛衣那がどこまで事情を知っているのかが曖昧なまま終わった印象があります。
それが意図的な“引き”だとしても、“心の揺れ”が表に出る描写がもう少しあると深みが増したと思います。
刑事・埴堂たちの捜査パートがやや駆け足
二人の行方に目星をつける流れはスピード感がありましたが、
もう少し捜査の“推理過程”が描かれていると、追跡劇としての緊迫感がさらに高まったように感じました。
感想まとめ
第7話は、“逃げる物語”から“向き合う物語”へ、静かにそして確実に転換していく印象的な回でした。
巧巳は母と向き合い、新たな決心をする。
凜は愛衣那と再会し、自分の置かれた現実を嫌でも再確認する。
そして刑事たちは確実に二人へと近づいていく──。
それぞれの視点が同時に進むことで、物語全体が大きくうねり始め、
クライマックスへ向けての緊張が濃くなっていくのを感じました。
今後への期待と考察
巧巳の“決心”が何を意味するのか。
自首なのか、誰かを守るための嘘なのか、それとも新たな逃走なのか──
彼の選択次第で物語が全く違う方向に進む可能性があります。
また、愛衣那が凜にどこまで協力するのか、
あるいは彼女自身も“事件の渦”に巻き込まれてしまうのかも気になるポイントです。
刑事・埴堂たちの包囲網が狭まりつつある今、
次回は物語がさらに大きく動く予感しかありません。
第7話は、静かに迫り来る緊張感が美しく、そして苦しいほどに胸を締め付ける回でした。
(あいちゃん)

