【小さい頃は、神様がいて】第2話、あんの涙とさとこの抱擁が心に刺さる(感想)(ネタバレがあります)

本ページはプロモーションが含まれています

第2話、静かに始まったのに最後には涙止まらなくて困った。
小倉あん(仲間由紀恵さん)の言葉が、誰かの心の奥をそっと撫でてくる。
永島さとこ(阿川佐和子さん)の抱きしめ方があまりにも優しくて、画面越しでも温度が伝わった。
渉(北村有起哉さん)の不器用な表情も全部リアルで、家族の空気が痛いほど美しかった。
このドラマ、静けさの中で爆発してくるタイプ。

あん(仲間由紀恵さん)の「母であること」への苦しさ

小倉あん(仲間由紀恵さん)が語る“母である自分”の葛藤、あれはもう詩みたいだった。
「母という存在以外、何にもなかった」って言葉が、静かに落ちて胸の奥を打つ。
子どもを愛してるのに、そこに閉じ込められていく苦しさ。
かわいくて誇らしいのに、自分を失っていく感じ。
それを丁寧に表情で見せてくる仲間さんの演技が圧巻だった。
涙を我慢しながらも、声が震える瞬間に心が一緒にほどけてくる。
“母だから”じゃなくて、“一人の人間として”の叫びがちゃんと描かれてて、優しいのに苦しい。

さとこ(阿川佐和子さん)の抱擁が全てを包んだ

永島さとこ(阿川佐和子さん)があんを抱きしめた瞬間、空気がふっと止まった。
何も言わずに寄り添うって、あんなに強い行為なんだって気づかされる。
あんの肩が震えて、さとこの手がゆっくり背中を撫でる。
その手の温度が画面のこちら側まで届いて、こっちまで泣けた。
言葉よりも大事な沈黙ってある。
SNSでも「さとこさんがいてくれて良かった」って声が多かったけど、ほんとその通り。
あの優しさは、誰かを責めずにただ受け止める力そのものだった。

渉(北村有起哉さん)の不器用さがリアルすぎた

渉(北村有起哉さん)は多分、あんを理解したくてできない人。
「嫌いじゃない」って言葉の裏にある複雑さをちゃんと受け止めきれない。
でも、その目には後悔とか焦りとかが混ざってて、見てて切ない。
食卓のシーンでの沈黙がリアルすぎて、夫婦ってこういうズレ方するんだなって思った。
北村さんの芝居、静かな怒りとか迷いを表情で出すのがすごく上手い。
会話のテンポが少しズレていく感じが、逆に本当の夫婦っぽくて生々しかった。

「たそがれステイツ」の温度と痛み

3世帯が集まる“たそがれステイツ”の空気感が好き。
古いマンションの壁紙とか、照明のオレンジっぽい色とか、全部が優しいのに少し切ない。
あの空間に漂う「家族って何だろう」っていう問いが、じんわり染みてくる。
笑いながら話してるのに、どこかみんな孤独。
岡田惠和さんの脚本って、沈黙の中に感情が溢れる瞬間をちゃんと残してくれる。
ホームコメディーの形をしてるのに、心に小さな棘を置いていく感じ。
そのバランスが心地よくて、ずっと見ていたくなる。

まとめ

第2話は、誰かを抱きしめる勇気と、抱きしめられる側の痛みを両方描いた回。
あん(仲間由紀恵さん)の涙は悲しみだけじゃなくて、解放の始まりにも見えた。
さとこ(阿川佐和子さん)の抱擁は、言葉の代わりに「大丈夫」を伝える魔法みたいだった。
渉(北村有起哉さん)の不器用な愛情も、これからどう変わっていくのか気になる。
“家族”の形をもう一度見つめ直したくなる、静かで強い30分だった。
(みかんてぃ)