渋谷の空気がちょっと冷たくて、でも胸の奥はふつふつ。
第2話、WS劇場の片隅でスポットライトがくるっと回るたび、気持ちも回転数を上げてくる感じ。
客席はスカスカなのに、言葉と視線の熱量だけはやたら高い。
脚本は三谷幸喜さん。
会話の切れ味が良くて、スマホ片手に「やば、今の台詞メモ」ってなるやつ。
で、肝心なのはここから。
久部(菅田将暉くん)が放つ“野望”が、思ってたよりずっと大きかった。
第2話のWS劇場、静けさの中で火花が散る
WS劇場は、2年前の熱狂がどこへやらってくらい静まり返り。
風営法の改正でショーの元気がしぼんで、拍手も薄め。
けど、その静けさが逆にこわい。
舞台袖から見える客席は空席だらけでも、手すりに残った傷や、床にしみ込んだ足音の記憶が生々しい。
そこへ響く照明音、ちょっとした衣擦れ、誰かの小さなため息。
沈んだ色味の世界なのに、次の色を探してるような気配がして落ち着かない。
そういう、一瞬で空気が塗り替わる前ぶれみたいな時間が続く。
ピンスポ係になった久部(菅田将暉くん)、レンズ越しに掴んだ景色
久部(菅田将暉くん)は法被を着て、ピンスポ担当に。
光を追いながら、誰よりも近い距離で“今の劇場”と向き合うの、すごく象徴的。
手元のダイヤルをほんの少し回すたび、照らされたダンサーの表情が変わるのを目にして、彼の中で何かが噛み合っていく。
たぶん、光の円の外側にいる観客の顔まで想像してるんだろうなって思わせる集中力。
舞台って儲かるの?っていう超現実的な問いにも正面から向き合ってて、夢と計算のバランス感覚が頼もしい。
浅野大門(野添義弘さん)の「閉館」宣言、その場の温度差がすごい
支配人の浅野大門(野添義弘さん)が「もう閉める」と腹をくくるシーン、場の温度が一気に下がる感じがした。
ダンサーを集めて売上を分配、いわば最後のケジメ。
財布の中身って、現実を突きつける音がする。
誰も声を張り上げないのに、心の中ではざわつきが止まらない。
ここまで面倒を見てきた浅野の眼差しに、情と理の両方がにじんでるのが刺さる。
終わらせ方までちゃんとしてる人の決断って重い。
でもその重さを受け止める若さが、すぐ隣でうずうずしてるのも面白い。
リカ(二階堂ふみさん)の視線が動くと、空気も少しだけ前に動く
リカ(二階堂ふみさん)は、ダンサーとしての矜持をまといながら、状況を見つめる目がクール。
口数は多くないけど、わずかな表情の変化で「まだ終わりたくない」が伝わってくる。
久部(菅田将暉くん)の提案を受け取る瞬間、ほんの一拍おく“間”が良すぎて、心の重心がスッと前に。
浅野(野添義弘さん)に向ける視線も柔らいで、舞台上の関係性が静かに組み替わっていく。
揺れるドアみたいに、閉じるか開くかの境目で、体温がじんわり上がった。
「渋谷で一番…いや東京で一番」って言い切る勇気、数字の話までセットなの強い
久部(菅田将暉くん)が「このWS劇場を渋谷で一番の…いや、東京で一番の劇場にする」って言い切るところ、ただの勢いじゃ終わらせないのが良かった。
小劇場ブームに乗る戦略、芝居の収益構造、ダンサーを俳優として活かす設計――夢とプランを同時にテーブルへ。
言葉の熱さに、ちゃんと紙と鉛筆の音がついてくる感じ。
派手なガッツポーズじゃなくて、計算された前傾姿勢。
あの場にいたら、多分うっかり拍手してた。
大きく出るの、怖いのに、気持ちいい。
「旗揚げ」の合図が鳴った瞬間、静かなワクワクが増幅
浅野(野添義弘さん)もリカ(二階堂ふみさん)も、最初は半信半疑。
でも、久部(菅田将暉くん)の熱に押されて“やる”ほうへ体が傾く。
たぶん、全員が同じ夢を見ているわけじゃない。
だけど同じ舞台を共有して、同じ灯りを浴びてみようという合意が生まれた時、劇場って急に生き返る。
客席の空気穴から、新しい風がスーッと入ってきたみたいに。
ここからどのくらい転べるか、どのくらい笑えるか。
失敗の想像でさえ、妙に前向きに感じてしまった。
まとめ
第2話は、終わりの宣告から始まる再スタート。
WS劇場はボロいけど、夢を置くにはちょうどいい広さ。
久部(菅田将暉くん)の“東京一”宣言は勢いだけじゃなく、算段がセットなのが最高。
浅野(野添義弘さん)の現実感と、リカ(二階堂ふみさん)の柔らかい芯が合わさって、静かな高揚が続く。
舞台って、こうやって人の居場所になっていくんだなってしみた。
次の幕、さらに手の汗が増えそう。
(こころん)
楽天市場、24時間限定タイムセール | 毎朝10時更新!日替わりで毎日お得!
Amazonタイムセール人気の商品が日替わりで登場。毎日お得なタイムセール