『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』第5話、息が詰まるほどの“抱きしめ”に世界が止まった(感想)(ネタバレがあります)

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第5話、久部三成(菅田将暉さん)と倖田リカ(二階堂ふみさん)の距離感が、空気を変えた回だった。
台詞よりも沈黙のほうが多いのに、心臓の音だけははっきり聞こえる。
あの“バックハグ”のシーン、ドラマじゃなく現実の一瞬みたいで、息が浅くなる。
リカの視線も、久部の不器用さも、全部ひとつの芝居の裏側みたいでゾクッとした。

「夏の夜の夢」初日、舞台の熱気と静けさ

WS劇場に集まった関係者たちのざわめき。
舞台監督・伴工作(野間口徹さん)の進行でミーティングが始まる。
久部三成(菅田将暉さん)が「劇団クベシアター、旗揚げです」と言った瞬間、空気が震えた。
拍手と歓声が混ざる中で、誰もが心の奥で“何かが始まる”のを感じてる。
照明の光に包まれたステージが、まるでこの世とあの世の境界みたいで、現実感が薄れていく。
夏の夜の夢、というタイトルが急に意味を持ち始める瞬間だった。

神主・江頭論平(坂東彌十郎さん)と樹里(浜辺美波さん)の登場で、空気が一変

お祓いをしに八分神社の神主・江頭論平(坂東彌十郎さん)と樹里(浜辺美波さん)が現れる。
神主の論平がリカ(二階堂ふみさん)を見てにやけるところ、絶妙に人間臭くて笑ってしまった。
その横で冷めた目をしている樹里(浜辺美波さん)の表情が、静かに場を引き締める。
お祓いの場面では、一瞬だけ世界が止まったみたいな静寂。
久部(菅田将暉さん)が見つめるステージに、何か祈りみたいなものが宿っていた。
演劇という“儀式”を、ちゃんと神聖なものに見せるこの脚本、やっぱり三谷幸喜さんの魔法。

倖田リカ(二階堂ふみさん)の色気が止まらない

リカ(二階堂ふみさん)が部屋でたばこを持つ手、その火のゆらぎが妙に艶っぽい。
久部(菅田将暉さん)に「どうせならさ、もっと安心させてよ」と言う声が低くて、胸に響く。
「たとえば……後ろから抱きしめたりとか」って言葉の間が、永遠に続くかと思うくらい長く感じた。
久部のぎこちない動き、リカの余裕の笑み。
“まあいいわ”と離れる瞬間、恋愛でも芝居でもない、何か別の感情が見えた気がした。
あの距離感を“恋”って言葉でくくれないのが、このドラマのすごさ。

菅田将暉さんの“下手さ”がリアルに響く

久部(菅田将暉さん)のバックハグ、あえて不器用に見せてるのがたまらない。
完璧な抱きしめじゃなくて、戸惑いとためらいがそのまま体の動きになってる。
「これで、いいですか?」っていう一言が、やさしくて、痛い。
恋愛の甘さより、信頼と寂しさが混ざった抱擁。
その温度の曖昧さが、逆にリアルで刺さる。
リカ(二階堂ふみさん)の“まあいいわ”が、まるで芝居の続きのように残響していた。

SNSでも「リカさん色気やばい」の嵐

放送直後、SNSはリカ(二階堂ふみさん)一色。
「リカさんあまりにも色っぽぎる」「二階堂ふみ、昭和の女優みたい」といったコメントが続出。
“色気”って言葉を超えて、存在そのものがドラマの照明みたいだった。
一方で、「久部の不器用な抱きしめがリアルすぎて泣いた」って感想も多かった。
この2人の間には、恋の始まりでも終わりでもない、奇妙な信頼が流れてる。
その曖昧さこそが、“この世が舞台なら”の答えに近いのかもしれない。

まとめ

第5話は、セリフの少なさが逆に心をえぐる回だった。
倖田リカ(二階堂ふみさん)の余裕と久部三成(菅田将暉さん)の不器用さ、その対比が美しすぎる。
野間口徹さん、坂東彌十郎さん、浜辺美波さんが支える舞台のリアリティも完璧。
恋愛よりも、芸術と人間の距離を描いた静かな衝撃。
画面の温度が下がらないままエンディングを迎えるのが、このドラマの魔力。
次回の一言でまた、全てがひっくり返りそう。
(みかんてぃ)