『推しの殺人』第2話/“共犯アイドル3人”の崩れ始めた絆にゾクッとした(感想)(ネタバレがあります)

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ルイ(田辺桃子さん)が崩れ落ちそうなほど張りつめてるのに、テルマ(横田真悠さん)とイズミ(林芽亜里さん)はどこか夢の中みたいな表情で。
3人が抱えてる“罪の重さ”がそれぞれ違うのが、静かに怖い。
表面はアイドルのきらめき、でも中はぐちゃぐちゃの暗闇。
笑顔の裏に“殺人”があるっていう設定なのに、ドラマ全体の空気が美しいのがまたゾッとする。
第2話は、心臓がずっと掴まれてる感じだった。

“ベビスタ”3人の沈黙が、音より重かった

大阪で活動するアイドル「ベイビー★スターライト」。
ルイ(田辺桃子さん)、テルマ(横田真悠さん)、イズミ(林芽亜里さん)――この3人の関係性が崩れ始める音がした。
所属事務所の社長・羽浦(田村健太郎さん)を殺して、山に埋めた夜。
その“共犯の絆”が、彼女たちの居場所になってしまったようで怖い。
一緒に暮らすことで、秘密が守られるはずなのに、どんどん心の距離が遠くなる。
静かに狂っていく感じが、画面越しにも伝わってきた。
演出が冷たいのに、妙に人間臭いのがクセになる。

田辺桃子さん演じるルイの“理性と崩壊”が見事すぎた

ルイは冷静で頭が切れるタイプ。
でもその冷静さが裏目に出る瞬間がいくつもあった。
警察官の幼なじみ・望月(曽田陵介さん)と再会したときの一瞬の動揺、完璧に隠してるのに目が語ってた。
田辺桃子さんの表情、微妙な震えがあって、見てるだけで不安になる。
「分かってる?誰か一人でもボロが出れば、私たち終わりなんだよ」って声を荒げた瞬間、完全にリーダーの顔。
だけどその声の奥に、“自分も崩れそう”って気配があった。
最後の「変わったでしょ、私」も、強さじゃなくて哀しさに聞こえた。

横田真悠さん&林芽亜里さんの“ズレた危機感”がリアル

テルマ(横田真悠さん)は情熱型、でも冷静さが足りない。
勢いで動いちゃうところが、逆にリアルすぎてハラハラした。
一方でイズミ(林芽亜里さん)は一番人気のセンターなのに、どこか危うい。
「羽浦と特別な関係だったの?」ってカマかけられたときの表情が、一瞬で泣きそうな子どもみたいだった。
3人の間に微妙な温度差があって、それが怖いほど現実的。
友情じゃなくて“罪の共有”でつながってるからこそ、いつ壊れてもおかしくない。
目線一つで信頼が崩れる空気が見事だった。

止まらない不安の連鎖、息つく暇なし

ミチル(なえなのさん)への口止め料、羽浦のスマホ、調査員・下谷(テイ龍進さん)の聞き取り――全部が連鎖的に追い詰めてくる。
しかも、ルイの元恋人・河都(城田優さん)が再登場して、過去まで掘り返される展開。
一瞬の言葉のミスで、警察の望月に全てバレそうになる流れ、ほんと胃が痛い。
“隠す”って行為が、こんなにも神経を削るものなのか。
画面のトーンもどんどん暗くなって、照明までもが追い詰めてくる感じ。
音楽が少ないからこそ、息の音とか衣擦れまで緊張感がある。

終盤のルイの過去に震えた

第2話のラストで映る、包丁を持つ幼いルイ。
その記憶が今の彼女を作ってると思うと、ただの犯罪ドラマじゃなくなる。
父親の暴力、守れなかった母と妹。
望月への「変わったでしょ、私」の言葉が、すごく切なかった。
罪を重ねても、誰かを守りたかっただけの人に見える。
田辺桃子さん、ここ数年で一番すごい演技してると思う。

まとめ

第2話は、静かな恐怖の積み重ねが圧倒的だった。
ルイ(田辺桃子さん)が理性で崩壊を止めようとすればするほど、テルマ(横田真悠さん)とイズミ(林芽亜里さん)の無防備さが際立つ。
罪を隠す3人の距離感が、友情でも敵意でもない“共犯のぬるま湯”みたいで怖い。
“誰か一人でもボロが出れば終わり”ってセリフ、まさに今の彼女たちの運命そのもの。
このドラマ、サスペンスなのに美しくて、見終わった後も頭から離れない。
(ゆめのん)