舞台が上がるほど、暗がりは深くなる
「ベイビー★スターライト」のプロデューサーに 城田優 演じる河都潤也が就任し、6周年記念ライブ開催も決まったという華やかな流れ。けれどその歓喜の裏で、 田辺桃子 演じるルイだけは、河都の“過去”を疑っていた。
さらに、事件との関連が疑われる久保(水間ロン)の行方も依然として不透明。そんな中、弁護士の矢崎(増田貴久)と河都の妻・麗子(加藤ローサ)が「ルイと河都の車内での抱擁写真」や「7年前河都が借りたマンションにルイが住んでいた」など強い証拠を突きつける。ルイは追い詰められ、シリーズに新たな緊張が走りました。
良かったこと
「アイドル活動」という光と影の両立が鮮明に
アイドルグループ「ベビスタ」のメンバーであるテルマ(横田真悠)やイズミ(林芽亜里)は順風満帆なように見えても、ルイだけは違った。成功の裏にある“信じられなさ”を抱えている。
その設定が、この話に“華やかさだけではない”リアリティをもたらしていました。舞台に立つ者の孤独と恐れが垣間見えて、観ていて胸をざわつかせる瞬間が多くありました。
疑惑の提示と物語の転換点としての巧さ
久保の行方不明、名刺「クラブ ガーデン」、そして河都とルイの過去・・・。
これらが一気に提示され、視聴者に「この人物は本当に味方なのか?」という問いを突き付ける構成になっていたのが非常に効果的でした。
恋愛・仕事・裏事情が絡む中で、友情でも信頼でもない“何か”がゆらぎ始める瞬間を丁寧に描いていたと思います。
気になった・もう少し描いてほしかったこと
ルイの内面の掘り下げがもう少し欲しかった
ルイが河都を信じ切れないという描写自体は説得力がありましたが、なぜ彼女がそこまで疑ってしまうのか、過去の「7年前のマンション」や「抱擁写真」の背景がもう少し視聴者に納得できる形で示されていれば、感情移入がさらに深まったかもしれません。
“疑う理由”が手探りのようで、多少唐突に感じた部分もありました。
ライブ・アイドル活動の描き方と本筋のバランス
6周年ライブ決定という華やかな流れと、殺人・行方不明・不倫疑惑という重いテーマが同居しています。
このトーンの振れ幅が大きい分、「アイドルの舞台裏」という日常要素と「殺人ミステリー」の緊張要素が時折ぶつかってしまうように感じる場面もありました。
もう少し両方をシームレスにリンクさせてくれたら、物語の“重み”と“表面の華やかさ”のギャップがもっと際立ったと思います。
感想まとめ
第5話では、「信頼」「裏切り」「過去」というキーワードが一気に噴き出しました。
ルイというひとりの人物を通して、「光が当たるところだけが“安心”ではない」ということを強く感じさせられます。
河都はプロデューサーとしての成功を収めようとしている一方で、その成功の背後に“支配”や“隠蔽”の影が漂っているようにも見える。
そして、アイドル活動という華やかなステージが、実は監視と疑念の舞台でもあると視聴者に印象付ける回だったと思います。
このドラマが描いているのは、“推される”側だけでなく、“推す/支える”側の歪みや暴走、その双方に潜む危うさです。第5話は、その危うさをストレートに掘り下げた、ターニングポイント的な回だと感じました。
今後への期待と考察
次回以降、私が注目しているのは以下の点です:
– 水間ロン 演じる久保の行方と、彼がなぜ被害者の写真を所持していたか。
– 河都とルイの“過去”の真実。マンション、抱擁写真、7年前の関係、それぞれの意味とは。
– アイドル3人組「ベビスタ」がこの事件の中でどう振る舞うか。成功の舞台裏での選択が、今後の鍵を握る予感。  
この物語は、「誰が犯人か」というミステリーの線だけではなく、「誰を信じるか」「誰に裏切られたか」という人間関係の揺らぎも描いています。
第5話は、その揺らぎが本格的に動き出した回だったと思います。期待と同時に、恐怖も感じながら次回を待ちたいです。
(あいちゃん)
 
  
  
  
  
