『スキャンダルイブ』第5話、言葉にした瞬間から空気が変わるのがしんどい(感想)(ネタバレがあります)

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第5話、見ていて息の仕方が分からなくなる場面が何度もあった。
奏(川口春奈さん)の妹・莉子(茅島みずきさん)が語り出した過去が、あまりにも現実的で重い。
派手な演出じゃないのに、心の奥を直接つかまれる感じ。
このドラマが扱ってきた“スキャンダル”が、ただの噂話じゃないと突きつけられる回だった。

夢を追う少女につけ込む構造の残酷さ

上京して、小さな芸能事務所で必死に頑張ってきた莉子。
「もう少しで所属できる」「期待されてる」という言葉を信じて、高額なレッスン料を払い続ける日々。
今思えば使い回された言葉だとしても、その時は信じるしかなかった。
夢を人質に取られる構造が、淡々と描かれているのが逆に怖い。
この世界で弱い立場に置かれる人が、どれだけ追い詰められるかが伝わってくる。

麻生秀人(鈴木一真さん)の優しさが一気に牙をむく瞬間

パーティーで寄り添うように話を聞く麻生の態度は、一見すると親切そのもの。
「何が足りなかったのか知りたい」という莉子の言葉に応じる姿も、希望を与えるように見える。
でも二人きりになった空間で、その空気は一変する。
選択肢を与えるようで追い詰め、拒否すれば夢を否定する言葉。
立場と権力を使った行為が、はっきりと性加害だと分かる描かれ方だった。

告白後も続く自己否定が苦しい

翌朝に渡された現金と、何事もなかったかのような沈黙。
相談しても「色仕掛けで失敗しただけ」と切り捨てられる現実が残酷すぎる。
莉子(茅島みずきさん)が自分を責め続ける言葉の数々が、あまりにもリアル。
「自己責任」「抵抗できなかったのが悪い」って、自分に言い聞かせるしかなかった時間。
被害が終わっても、苦しみが続く構造がはっきり見えた。

咲(柴咲コウさん)の言葉が初めて肯定になる

「これは性加害です」とはっきり言い切った咲の言葉が、空気を変えた。
莉子が自分を責める必要はない、と断言する姿が強い。
これまで何度も否定されてきた訴えが、初めて受け止められた瞬間。
柴咲コウさんの静かな強さが、言葉の重みをさらに増していた。

奏(川口春奈さん)が選んだ覚悟

妹の告白を聞いた奏が、感情だけで動かないのも印象的。
記事を出すためにもう一度動く、と決める姿が現実的で頼もしい。
「話してくれてありがとう」という一言が、救いとしてちゃんと届く。
記者として、人として、どちらも背負う覚悟が見えた。

告発を阻もうとする側の動きが怖すぎる

物陰から見ていた明石(横山裕さん)の存在感が不穏。
さらに児玉蓉子(鈴木保奈美さん)の「早めに手を打つ」という冷静さが恐ろしい。
フリーライターを差し向けて、莉子を揺さぶるやり方が生々しい。
声を上げた側が、さらに追い詰められる構図がはっきり描かれている。

まとめ

第5話は、告白すること自体がどれほど勇気のいる行為かを突きつける回だった。
莉子(茅島みずきさん)の言葉が、咲(柴咲コウさん)と奏(川口春奈さん)によって初めて肯定される。
でも同時に、告発を潰そうとする力も動き出している。
見ていてしんどいのに、目を逸らせない。
最終回で何が描かれるのか、覚悟を求められるところまで来ている。
(ゆめのん)