スタッフ犬・ボムの病と“旅”の提案
第5話「犬温泉より愛をこめて」では、雑誌「シバONE」のスタッフ犬2号・ボムが病気を患ったというニュースが中心に据えられました。飼い主の三田だけでなく、編集長・相楽(大東駿介)をはじめとした編集部全員がボムの体調を気にかける描写が丁寧で、犬も人も“仕事相棒”として〈支えられ〉〈支える〉関係にあるというテーマが浮かび上がりました。
その中で、編集部の清家(片桐はいり)が秘かに温めていた「犬温泉の旅」企画が、この病気の知らせを受けて動き出し、みんなで実家でもある温泉へ出掛けることに。ボムのため、そして編集部のため、旅が“癒し”と“転機”の両方になりそうな予感が漂っていました。
良かったこと
犬と人との絆をあらためて描いていた
ボムが「単なるマスコット」ではなく、編集部の一員/仲間として扱われているのが、とても温かかったです。ボムの体調を心配する編集部のメンバーたちのやりとりから、雑誌制作という“業務”の裏にある“思い”や“責任”が見えてきました。そしてその責任が、犬にも向けられているという点が印象的です。
さらに、温泉旅というフォーマットが、「休むだけ」でなく「皆で何かを共有する」という意味を持っていたのが良かったと思います。
旅という装置が編集部の人間関係を再編していた
編集部メンバーが温泉地に向かうことで、普段のオフィス空間では見えなかった“役割”や“感情”が顔を出していました。実家の温泉という場所が、清家の過去や立場を自然に引き出していて、「仕事仲間」から「人間としての繋がり」へと関係性が変わっていく描写が丁寧でした。犬(ボム)がその媒介になっていたのもセンスの良い仕掛けでした。
気になった・もう少し欲しかった部分
ボムの病気の説明がややあっさりしていた
ボムが病気を患ったという状況が、物語のきっかけとして機能していましたが、その病気の内容・進行度・飼い主・編集部の間でどのような影響が生じているのかといった背景が少し省略されていた印象があります。視聴者として「どれだけ大変か」「これからどうなるか」というリアリティをもう少し感じたかったです。
温泉旅の中での“問題”が控えめだったかも?
編集部+ボムで温泉へ出るという展開は安心感がありましたが、ドラマとしての“緊張”や“転換点”という点では、もう少し意外な出来事や葛藤があると、旅がただの癒し回で終わらず、さらに深みを増せたと思います。
感想まとめ
第5話は、「犬バカ編集部」というタイトルの通り、犬を通じて人の仕事・人間関係・思いを描いた回でした。ボムという存在が、編集部の“心の軸”になっていて、その病気を知ったことで一気に“本音のやりとり”が出てきたように思います。
また、温泉旅という場が、編集部の“日常”を抜けた“非日常”となり、そこでの一挙手一投足が人間ドラマとして響いていました。編集部のメンバーが“同じ船”に乗っているという感覚が強まり、「犬を大切にすること=人を大切にすること」というメッセージも心に残りました。
今後への期待と考察
次回以降、私が注目したいのは以下です:
– ボムの病気がこの先どう進展し、編集部・飼い主・犬の三者にどう影響を与えていくか。
– 温泉旅の中で明らかになった清家の実家という背景が、編集部での立ち位置・企画の方向性にどう作用するか。
– 犬専門誌「シバONE」が“夢を追う雑誌”としてどう成長していくか、その中で犬と人の関係性がどれほど変化するか。
この回は、ほっと心温まる一方で、次の展開へ向けた転機でもあったと感じました。次話も心して観ようと思います。
(あいちゃん)

