シバのおきて~われら犬バカ編集部~ 第6話 感想文(ネタバレがあります) ― 犬を通して「振り返る」人間たちの物語

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「お友だち犬を作ろう」企画が巻き起こす思わぬ波紋

第6話では、石森(飯豊まりえ)が、元気のない柴犬・福助とひとみを気にして「お友だち犬を作ろう」というプロジェクトを立ち上げるところから物語が広がりました。ところが、この“犬の友だち作り”のはずが、飼い主の相楽(大東駿介)に「自分に友だちがいない」という問題が浮上したり、新藤(篠原悠伸)のバンド解散という思わぬ展開に波及したりして、編集部員たちそれぞれの“人付き合い”や“孤独”というテーマが浮かび上がります。
また、編集部・清家(片桐はいり)は「シバの振り見て我が振り直せ」シリーズを始め、その第1回テーマを“シバに学ぶ恋愛のオキテ”とし、秘かに石森を思う上村(水川かたまり)が標的になっていく…という構図も、犬バカ編集部らしい“愛犬+人間ドラマ”のクロスが面白く機能していました。

良かったこと

犬→飼い主→編集部という連鎖構造が丁寧

「犬の元気がない」ことがきっかけになって、“友だちを作ろう”というシンプルな企画から、人間側の“友だちがいない”“夢を断たれた”というテーマが派生していく流れが自然で、かつ心に響きます。
犬の存在がただ可愛いだけでなく、人間側の隠れた“振り返りポイント”になっている点が、このドラマの持つ魅力を改めて感じさせました。

恋愛のオキテという軽妙な視点が新鮮

清家が始めた“シバに学ぶ恋愛のオキテ”という企画が、恋愛というテーマを犬の行動や「友だちを作る」という企画から照らすという発想で、恋愛ドラマとしても一ひねりあるなと思いました。特に、上村が石森に対して動きを起こそうとする中で、「どうやって友だちを作るか?」という視点が恋愛にも応用されていく構成が軽やかに効いていました。

気になった・もう少し欲しかった部分

企画の展開が少し拡散気味に感じた

犬友だち作り → 飼い主の人間関係 →恋愛のオキテ、とテーマが次々と広がる中で、編集部員それぞれの「もう少し深く知りたい部分」が少し浅めに漏れてしまった印象もありました。
例えば、新藤のバンド解散問題については、「なぜ解散したか」「それをどう編集部が支えるか」といった掘り下げがもう少しあると、個人のドラマとしてさらに響いたと思います。

上村→石森の恋愛ラインの動きが控えめ過ぎた?

“恋愛のオキテ”というテーマが出たものの、上村が石森に対してどのように動くか、石森がどう感じるかという描写がもう少し明確だと、視聴者としてもその恋愛線に入り込みやすかったと思います。犬企画とのバランスを取るのは良いのですが、恋愛ドラマとしての“テンション”も少し欲しかったです。

感想まとめ

第6話は、「犬をきっかけに人を見つめる」というこのドラマならではの構図が、非常によく機能していた回だったと思います。犬の“友だち”というテーマを通じて、「人間はなぜ友だちを作るのか?」「孤独をどう捉えるのか?」という根源的な問いが自然と立ち上がっていました。
編集部という職場の中で、飼い主である編集者とその犬たちが“鏡”のように存在しているようで、それぞれが自分の暮らしを振り返る場になっていたのが印象的です。
同時に、恋愛というテーマも差し込まれており、「恋愛のオキテ」を犬の視点から考えるというアイデアもユニークでした。特に、友だち作り=恋愛の一歩という発想は、軽やかでありながらじんわりと染みてきました。

今後への期待と考察

次回以降、以下の点に注目したいです:
– 相楽や新藤など「飼い主の生き方・人付き合い」の問題がどう編集部の企画に取り込まれていくか。
– 上村の恋愛アプローチが石森にどう響くか、そして石森自身がどう自分を見直すか。
– 犬たち(特に福助とひとみ)が“友だちを作る”という企画を通じてどこまで変わるか。それを飼い主や編集部がどう受け止めるか。
– そして“シバのおきて”というタイトル通り、犬たち/飼い主たちから「学ぶこと」がどう物語に深みを加えていくか。

このドラマは、柴犬とその飼い主たちを通して「暮らし」「人間関係」「生き方」を描いていて、可愛いだけで終わらないのが魅力です。第6話は、その魅力がしっかり表れた回だったと思います。次回も楽しみです。
(あいちゃん)

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