第11話、派手な展開は少ないのに、ずっと感情が忙しかった。
鳥飼樹(草なぎ剛さん)の大人の恋が、仕事も人生も追い込んでいく流れが苦しくて目をそらせない。
切なさは確かに残るのに、最後には希望が置かれていて、不思議と心が落ち着く最終回だった。
「この人は結局、この生き方しかできないんだな」って思わされる余韻が強い。
鳥飼樹(草なぎ剛さん)が背負った大人の恋の代償
真琴(中村ゆりさん)との関係が公になることで、樹は一気に窮地に立たされる。
恋をしただけなのに、立場や過去がそれを許してくれない現実が重い。
Heaven’s messengerにまで影響が及び、樹が退職届を出す場面は胸が痛む。
自分一人が耐えればいい、という選び方が、樹らしくてつらい。
草なぎ剛さんの抑えた表情が、感情を叫ばない分、余計に響いてくる。
仕事への誇りが折れなかった理由
御厨グループの不正と向き合う中で、樹は何度も選択を迫られる。
利人(要潤さん)からのスカウトを拒絶する場面は、このドラマの核。
「遺品整理人の仕事に触らないでください」という言葉に、10年分の覚悟が詰まっていた。
仕事は職業じゃなく、生き方そのもの。
樹が怒りをあらわにしたのは、私情じゃなく誇りのためだった。
利人(要潤さん)が動いた決定的な瞬間
最初は信用できなかった利人が、少しずつ変わっていく過程も印象的。
被害者の現場で花を手向ける姿に、迷いがにじんでいた。
樹に真正面から問い詰められ、社外秘文書を渡されたことで、逃げ道がなくなる。
内部告発を選んだのは、簡単な決断じゃない。
それでも動いたのは、樹の言葉がちゃんと届いたからだと思えた。
別れを選んだ真琴(中村ゆりさん)の強さ
真琴が樹と距離を置く選択をしたのは、悲しいけど納得できた。
一緒にいれば幸せなのに、それだけじゃ足りない現実。
中村ゆりさんの穏やかな演技が、決断の重さを静かに伝えていた。
お互いを大切に思っているからこその別れが、余計に切ない。
数年後に見えた「変わらなさ」という救い
成長した息子の姿から、時間がしっかり流れたことが分かる。
それでも樹は、磯部(中村雅俊さん)の会社で遺品整理を続けている。
「どう転んでも鳥飼さん」という言葉が、すべてを表してた。
生き方は変わらなくても、世界は少しずつ前に進んでいる。
公園で再会した樹と真琴の笑顔が、未来を感じさせるラストだった。
まとめ
最終話は、恋愛よりも生き方を描いた結末だった。
鳥飼樹(草なぎ剛さん)の一本気な姿勢が、最後までぶれなかったのが心に残る。
切ない別れも、不正と向き合う苦しさも、全部含めてこの物語。
見終わったあと、静かに背筋が伸びるような感覚が残った。
派手じゃないのに、長く心に居座る最終回だった。
(ゆめのん)

