『終幕のロンド ーもう二度と、会えないあなたにー』、第2話で涙腺崩壊。優しさが痛い(感想)(ネタバレがあります)

本ページはプロモーションが含まれています

第2話、静かな時間の中で心を掴まれる回だった。
鳥飼樹(草なぎ剛さん)が放つ言葉の一つ一つが、優しさと痛みの境界にあった。
遺品整理って“片付ける”仕事じゃなくて、“心をほどく”仕事なんだなって感じる。
泣かせにくる演出じゃなくて、自然に涙が出る。
誰かを想うって、こんなに切ないんだって思わされた。

「Heaven’s messenger」に届いた700万円の謎

今回の依頼人は木村遼太(西垣匠さん)。
亡くなった父の遺品の中から、妹・里菜(山下愛織さん)のバレエ留学費用700万円を探してほしいという依頼だった。
遺品整理会社「Heaven’s messenger」の仲間たちが丁寧に探しても、お金は見つからない。
「絶対あるはず」と叫ぶ里菜の焦りがリアルで、画面越しに胸が締めつけられる。
“金がない”っていう事実よりも、“信じてた父の言葉が嘘になる”ことのほうが、彼女には苦しかったんだと思う。

「うそつき、パパなんか嫌い」――少女の涙が痛かった

お金が見つからず、留学も諦めるしかなくなった里菜。
写真を見ながら「うそつき、パパなんかもう嫌い」と吐き出すシーン。
その幼い怒りが、実は愛の裏返しだとわかっていても、見ている側の心が折れそうになる。
失うって、怒ることでしか耐えられない瞬間がある。
この作品のすごいところは、そういう感情を“説明しない”ところ。
ただ静かに見せてくれる。
それが逆に深く刺さる。

樹(草なぎ剛さん)の言葉が、人の痛みに寄り添う

「私たちは留学費用を見つけることはできませんでした。その代わり、ご遺品をお渡しします」
この一言からすでに泣きそうだった。
差し出されたのは、父親が生前着ていた交通誘導員の制服。
樹(草なぎ剛さん)の声が、静かに響く。
「お父様は休まず働いていました。生活を切り詰めて、病気と闘いながら、娘さんの夢のために」
この瞬間、涙が止まらなかった。
お金よりも重い“想い”を届ける仕事って、こういうことなんだと思う。

草なぎ剛さんの演技、沈黙の中にある優しさ

草なぎ剛さんの演技は、声を張らないのに心に響く。
ただ立ってるだけで、空気が変わる。
派手な演出はいらなくて、目の動きと息づかいだけで物語になる。
樹という人は、悲しみに慣れているようで、実は誰よりも人を想ってる。
亡くした妻、幼い息子、そして依頼人。
全部を包み込むように、誰かの“終わり”に優しさを添える。
この静けさの中に、確かな愛がある。

「Heaven’s messenger」という名が意味するもの

遺品整理って“死”を扱う仕事なのに、このドラマは“生”を描いてる。
樹たちは、残された人の心を整える“天使”みたいな存在。
チームの空気感も優しくて、無理に慰めない感じがちょうどいい。
涙を誘うための演技じゃなくて、“人の痛みをそのまま受け止める”姿勢が、見ていて救われる。
SNSで「つよぽんの演技、引き込まれる」って言葉が多かったけど、ほんとにその通り。
彼の優しさは演技じゃなく、呼吸みたいに自然。

まとめ

第2話は、“泣く準備をしてないのに泣いてしまう”回だった。
草なぎ剛さん演じる樹の優しさが、まるで手紙みたいに心に届く。
700万円は見つからなかったけど、それ以上のものを遺族に残した。
このドラマは、悲しみを綺麗に包むんじゃなく、ちゃんと見せてくれる。
涙のあとに残るのは、少しの静けさと、人を想う温度。
「終幕のロンド」ってタイトル、終わりじゃなく“めぐり”なんだって思えた。
(みかんてぃ)