「そこから先は地獄」第1話の感想(ネタバレあり)妊活の隙間から地獄がのぞく——検索履歴が連れてきた他人

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日常の裂け目 ― 妊活と夫婦の亀裂

冒頭、矢嶌莉沙(井桁弘恵)は妊活を始めて3年、夫・高久との関係に微妙な違和感を抱えていました。
でもそれは、“特別なもの”というより、“当たり前”と思っていた日常の隙間からの亀裂だったのかもしれません。
そんな中、莉沙は夫のPCで“ラブホ 渋谷 きれいめ”という検索履歴を見つけてしまい、
「もしかして…」という疑念が現実化し始めます。
この瞬間から、彼女の心は静かに揺らぎ、物語の針は少しずつ狂い始めたように感じました。

救いたい気持ちと禁断の出会い

思い詰めた莉沙は、心のやすらぎを求めるようにジムへ向かい、トレーナー・城内涼(豊田裕大)と出会います。
涼は妻・凪子からのDVに苦しんでいる男性という設定で、その痛みを抱える姿に、莉沙は “救いたい” という衝動を抱きます。
“善意”から始まったその感情が、やがて“恋愛”や“欲望”へと傾いていく予感が第1話の中でじわじわと積み重なっていました。
この出会いは、莉沙にとって日常の保護膜を破る契機になるだろう…という危うさがありました。

裏側に潜む闇 ― 配偶者たちの秘密と裏切りの種

夫・高久は、妊活ルールに囚われたストレスを「既婚者専用マッチングアプリ」で発散しようとする描写が、現実感を持って刺さりました。 
家庭の成り立ちに焦りや不満を抱える夫婦像が、痛いほどにリアルでした。 
一方、涼の妻・凪子はその暴力性をちらつかせ、ただ被害者であるだけではない“強さ”や“病み”の気配も感じさせます。 
これらが交錯し始め、三角関係、すれ違い、裏切りという地獄の入口が静かに開き始めていたように思えます。

演出の切れ味と重さの混在

夜の室内、薄暗い光、窓のシルエット――このドラマは空気感を巧みに使って、登場人物たちの内面を映し出そうとしています。 
莉沙が夫のPCを覗き込むカット、涼と初対面する瞬間の沈黙、凪子の視線のぶれ――どれも小さなずれとして心に残ります。
回想や外部情報の挟み方も絶妙で、観ているこちらの心拍を微妙に揺らします。
ただ、設定の濃さゆえに“すべてがドラマ的”に見えてしまう危険も孕んでいて、そのバランスが今後の見どころになりそうです。

これから見たい闇と救いの可能性

このドラマが問おうとしているのは、「救いとは何か」「裏切りの代償はどこにあるか」でしょう。
莉沙は「不倫なんてしない」と思っていたキャラクターが、早くもその信念を揺らし始めています。
涼との関係の深化、夫との対峙、凪子の暴力性、夫婦それぞれの嘘と秘密。
誰が裏切って、誰が本心を見せるのか。
そして、地獄と呼ばれる関係性の先に、救いはあるのか。
その答えを探す旅が、この先の回でどのように描かれるのか、とても楽しみです。
(あいちゃん)

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