第3話は、恋の“終わらせ方”がテーマだった。
野北(白洲迅さん)が郁子(市川由衣さん)に「もう会わない」と告げるシーンは、静かで、それでいて胸が裂けるような痛みがあった。
優しさと自尊心の狭間で揺れる大人の恋――そのリアルさに、SNSも「つらい」「しんどい」と共鳴した。
野北と郁子、惹かれ合うほどにすれ違う2人
野北は、周囲と調和を保つ“無難な男”。
一方、郁子は自由奔放で、気まぐれに現れては去っていく。
そんな彼女に心を奪われた野北は、3年経ってもなお彼女を忘れられない。
けれど、その恋はいつも“彼女の都合”に振り回されるだけだった。
「出会えて良かった」と「出会わなければ良かった」を同時に思う――
このセリフが、野北の心の全てを表していた。
愛しているのに、報われない。
好きだからこそ、終わらせなければいけない。
その矛盾が、あまりに人間的で苦しい。
「俺は郁が好きだよ」――報われない想いの告白
飲み会の帰り、郁子から「会えない?」とメッセージが届く。
夜の街を並んで歩く2人。
野北は、ずっと胸にしまっていた思いを静かに吐き出す。
「郁といると自分に自信がなくなる」
「俺は郁が好きだよ。郁は俺のこと…好きじゃないよね?」
それは、愛の告白ではなく“終わりを告げるための告白”。
郁子が答えられずに俯いた瞬間、野北の心の中で何かが音を立てて崩れた。
そして彼は、静かに「もう会わない」と言い残して歩き出す。
白洲迅さんの抑えた演技が圧巻。
涙をこらえるでも、怒るでもない――
“愛することをやめる痛み”を、ただ噛みしめるように演じていた。
恋の終わりは、誰かの始まりへ
一方で、由宇(葵わかなさん)と真央(神尾楓珠さん)も過去の恋に区切りをつけようとしていた。
“誰かの恋の終わりは、誰かの恋のはじまり”というタイトルの意味が、ここで重なっていく。
恋が終わっても、そこで人生が終わるわけじゃない。
痛みの中で、それでも前に進もうとする――
このドラマが描く“恋の終わりの美しさ”は、決して悲しみだけではない。
SNSの反応
放送後、SNSでは「野北くん切ない」「終わるための告白が痛い」「よく言った、もう会わなくていい」「一番になれない恋のリアル」といった声が相次いだ。
“終わる恋”をここまで丁寧に描く作品は珍しく、視聴者の共感を呼んでいる。
まとめ
第3話は、恋の痛みを美しく描いたエピソードだった。
野北の「もう会わない」は、別れの言葉であると同時に、
“自分を取り戻すための決意”でもあった。
愛することに誠実であろうとした彼の姿が、
このドラマの中で最も人間らしく、最も切なかった。
(あやぴょん)
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