すべての恋が終わるとしても 第4話 感想文(ネタバレがあります)― 秘密と想いが交差する、静かな“終わり”の先へ

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真央の抱える病と、それぞれの“待つ苦しみ”

第4話では、神尾楓珠演じる大崎真央が3年前に大腸がんを発症していたことが改めて鮮明に描かれました。家族以外には病気を隠し続けてきた真央の決意と、それを知りながらも口を閉ざしてきた妹・大崎莉津(本田望結)、幼馴染の西颯(藤原丈一郎)という三角の人間関係には、静かだが深い“待つ苦しみ”が横たわっていました。

良かったところ

秘密が生む微妙な距離感の繊細さ

真央が病気という重大な内面を抱えながらも、由宇(葵わかな)や莉津、颯と関わる姿が描かれ、言葉にならない想いと距離が丁寧に映し出されていました。特に、由宇が真央の付き添いで病院を訪れていたところを颯が目撃する場面では、「黙っていること」が誰かを守るためでも、誰かを追い詰めることでもあるという複雑なリアリティを感じました。

片想い・初恋・友情が重なる群像ドラマとしての広がり

莉津にとって颯は、15年近く想いを寄せてきた存在でありながら、真央の影響で“兄のような存在”に変わってしまった幼馴染。そんな莉津の切なさに加え、由宇と真央というかつての恋人同士の関係にも変化の兆しが見えて、恋愛ドラマという枠を越えて“時間”と“記憶”が人をどう変えるかを映していたと思います。

気になった・もう少しあってほしかった部分

由宇と真央の感情の揺れ幅にもう少し時間を

由宇が真央に対して抱える未練や戸惑いは十分に伝わってきましたが、真央が病気を抱えていることを由宇が知るまでの感情の変化や、由宇自身が「このままじゃダメだ」と感じて動き出すまでの葛藤が、やや駆け足に見えた印象があります。もう少し一つひとつの心理描写が丁寧だと、より感情移入できたかもしれません。

病気の描写と恋愛・友情のバランス

真央の病気という重いテーマが物語に深みを与えている一方で、恋愛・友情・家族の話と並行して進んでいるため、どこか焦点がブレてしまう瞬間もありました。恋愛ドラマとして“誰を選ぶか”というラインも気になりつつ、真央の生と死というテーマも併走しているため、視点をどこに置くかが少し迷子になってしまったようにも感じました。

感想まとめ

第4話は、「秘密」「想い」「友情」「恋」が静かにぶつかり合う回だったと思います。真央が抱えてきた病という“終わりを意識する時間”と、莉津、颯、由宇それぞれが抱える“始まりを信じる時間”が交差していて、観ていて胸の奥がざわつきました。
「すべての恋が終わるとしても」というタイトルが、ただ別れを意味するわけではなく、“終わるかもしれないけれど、今この瞬間をどう過ごすか”という問いにもなっているのだと感じました。

今後への期待と考察

これから特に注目したいのは、真央が由宇に自分の病気を打ち明けるかどうか、そしてそれが莉津や颯との関係にどのような影響を及ぼすかです。さらに、由宇が真央だけでなく、野北駿太郎(白洲迅)という新たな接点をどう捉えていくのかも気になります。
「恋は終わるかもしれない。でもその先、自分はどう生きるか」を、このドラマがどう描いてくれるのか、非常に楽しみです。
(あいちゃん)

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