第1話、男たちの言葉が静かに胸を打った。
栗須栄治(妻夫木聡さん)の涙と、山王耕造(佐藤浩市さん)の包み込むような一言。
「俺に言うなよ。親父さんに言えよ」って、たったそれだけなのに、全部持っていかれた。
硬派なのに温かくて、不器用なのにやさしい。
“ロイヤルファミリー”ってタイトルにぴったりの、誇りと情のある第1話だった。
栗須(妻夫木聡さん)、父への後悔と再出発の始まり
税理士だった父に憧れて同じ道を選んだ栗須(妻夫木聡さん)。
けど、理想と現実のギャップに押しつぶされて、大手事務所で働くうちに心がすり減っていった。
父の誘いを避けたまま、気づけば父は他界。
その“取り返しのつかない時間”を抱えたまま、生きてきた彼が、山王耕造(佐藤浩市さん)と出会う。
この瞬間、彼の人生が静かに動き出すのがわかる。
妻夫木聡さんの涙の芝居、繊細なのに力強くて、見ていて息が止まるほどだった。
山王耕造(佐藤浩市さん)の“男気”がすべてを包む
競馬事業の撤退を迫られ、会社の行方も危うい中で、全てを背負って立つ山王耕造(佐藤浩市さん)。
社員にも取引先にも絶対に弱音を見せない姿が、これぞ“男の背中”って感じだった。
栗須が涙ながらに自責の念を語ると、「俺に言うなよ。親父さんに言えよ」と一喝。
そのあとに続く「でもよく話してくれたな。俺は親父が死んで立ち直れないような人間、嫌いじゃないよ」の優しさに、もう耐えられなかった。
厳しさの中にある思いやり。
佐藤浩市さんの低くてあたたかい声に、画面越しでも泣けてくる。
馬主席のシーンに込められた“人生の転機”
耕造が栗須を新潟競馬場に呼んだシーン。
あの馬主席での二人の会話、ただの誘いじゃない。
耕造にとっては、自分の“世界”に踏み込ませる決意表明。
「俺んとこに来るかい? 行くとこないんだろ? だったら来いよ」
その誘い方がまっすぐで、心に刺さる。
でも同時に「その前に親父さんに線香あげてこいよ」と言うのが耕造らしい。
義理と情、筋を通す生き方を教えてくれる。
この一連の流れが、男たちの絆の原点みたいで、最高だった。
“ロイヤル”とは、血のつながりじゃなく“生き様”のこと
タイトルの“ロイヤルファミリー”は、血縁のことじゃないんだと思う。
自分を信じて、仲間を信じて、筋を通して生きる人たちの物語。
栗須にとっての“新しい家族”が、ここで始まった。
耕造にとっての“後継者”が、静かに生まれた。
その瞬間を描くために、全編が丁寧に積み上げられていて、見応えがすごかった。
会話の一つひとつに、人生が詰まってる。
SNSで広がる称賛、「佐藤浩市さんの存在感、神」
放送後、SNSは称賛の嵐。
「佐藤浩市さんの渋さ、かっこよすぎる」「男気ある社長、ピッタリ」「妻夫木さんの涙が美しすぎる」など、絶賛コメントが並んだ。
二人の演技のぶつかり合いが、本当に映画みたいな迫力。
“日曜劇場らしさ”をここまで全開で見せてくれたの、久々かもしれない。
それでいて、人間臭くて、どこか懐かしい。
この作品、きっと最後まで“心で泣かせてくる”タイプだと思う。
まとめ
第1話は、後悔と再生、そして“男の約束”の物語だった。
妻夫木聡さんの繊細な演技と、佐藤浩市さんの圧倒的な存在感が完璧にかみ合ってた。
「俺に言うなよ。親父さんに言えよ」という言葉に、全てが詰まっている。
人生の答えは誰かがくれるんじゃなく、自分で見つけるもの。
でも、隣に“導いてくれる人”がいたら、それは奇跡。
まさに日曜の夜にぴったりのドラマだった。
(みかんてぃ)