第1話、のんびり始まったと思ったら、気づいたら胸の奥がずっとザワついてた。
小一郎(仲野太賀さん)の柔らかい空気と、兄の藤吉郎(池松壮亮さん)の軽快さが並んだ瞬間、画面のテンポが一気に心に入り込んでくる。
笑える場面がちゃんとあるのに、ところどころで不穏な影が差してきて、その切り替わりが自然すぎる。
気楽に見てたつもりが、いつの間にか兄弟の行く先を本気で心配してる自分がいた。
争わない世界を選びたい小一郎の優しさ
尾張中村の農家で暮らす小一郎(仲野太賀さん)は、土と一緒に生きる日々に満足している人。
争わなくていいならそれが一番、みんなで幸せになれたらそれでいい、って考え方がずっとにじんでる。
村で揉め事が起きても、感情でぶつからずに話をまとめるところが頭の良さを感じさせる。
優しいだけじゃなくて、ちゃんと現実も見てるから説得力がある。
だからこそ、この人が戦の世界に足を踏み入れる流れが、最初から切ない予感しかしない。
突然戻ってきた兄・藤吉郎の軽さと熱
野盗に襲われた村で、直(白石聖さん)が連れ去られそうになる瞬間に現れたのが藤吉郎(池松壮亮さん)。
8年も音信不通だった兄が、まるで昨日まで一緒にいたみたいな距離感で話しかけてくるのが強い。
お調子者で、人の懐に入るのがやたら上手い“天性の人たらし”感が全開。
でもその裏で、信長に仕えて出世したいっていう野心もはっきり見えてる。
軽やかな笑顔と、目的に向かう一直線さの同居が、もうこの時点でちょっと怖い。
道普請からのビンタが運命すぎる出会い
仕事を求めて清須へ向かった小一郎が、道普請の現場でぼやいた一言。
「道が整えば敵にも攻め込まれやすくなる」って小声で言った直後、突然ビンタされる展開が強烈。
その相手が、のちに主君となる織田信長(小栗旬さん)だと後で分かる流れが、もうドラマの顔してる。
しかも土砂崩れの現場で機転を利かせて指揮を取った結果、信長の評価を得るのが気持ちいい。
「自分の道は自分で切り開くのじゃ」って言葉が、小一郎の人生を一気に動かした感じがした。
濡れ衣と斬撃で見えた兄の別の顔
藤吉郎が盗みの罪を着せられた場面で、小一郎と一緒に真犯人を暴く策を仕掛ける流れは、頭脳戦としても見ごたえがあった。
でも衝撃だったのは、その先で藤吉郎が迷いなく横川を斬った瞬間。
さっきまでの軽口キャラが消えて、目の奥が一気に冷たくなるのがはっきり分かる。
池松壮亮さんの表情の切り替えが鋭すぎて、空気が一段重くなった。
この兄は、もう戦う覚悟を決めてる人なんだって、言葉なしで伝わってきた。
「兄者が怖い」と言えた小一郎の本音
手柄も褒美ももらえず、信長から厳しい言葉を投げられたあと、小一郎が口にした本音。
「わしが怖かったのは兄者じゃ…」って言葉が、静かなのにずっと残る。
平和を望む小一郎にとって、迷わず人を斬る兄の姿は受け止めきれない現実だった。
それでも兄弟の縁を簡単に切れない感じが、表情だけで伝わってくるのがつらい。
仲野太賀さんの柔らかさと芯の強さが同時に出る演技で、感情がそのまま胸に来た。
まとめ
第1話は、兄弟の対比だけで物語の方向がはっきり見える回だった。
小一郎(仲野太賀さん)の穏やかさと、藤吉郎(池松壮亮さん)の野心が、同じ家で育ったとは思えないほど違う。
そこに信長(小栗旬さん)の圧倒的な存在感が重なって、時代の流れが一気に動き出す。
笑えるテンポと、背筋が冷える瞬間が自然に並んでるのが、この大河の強さだと思った。
この兄弟がどこまで一緒に進めるのか、その距離の変化を見続けたくなる初回だった。
(ゆめのん)

