第1話、序盤は懐かしい同窓会ムードだったのに、
猿橋園子(新木優子さん)が語った過去の告白で空気が一瞬にして凍りついた。
“いじめ”という言葉では足りないほど、重くて生々しい告発。
あの静かな怒りのトーンに、鳥肌が立った。
間宮祥太朗さん演じる高木将の顔が一気に青ざめていく瞬間、もう目が離せなかった。
同窓会の笑顔の裏に潜む「忘れたい記憶」
22年ぶりに再会した6年1組のメンバー。
タイムカプセルを開けた瞬間までは、懐かしさと笑いがあった。
「キング」こと高木将(間宮祥太朗さん)はすっかり“良い大人”になっていて、
桜井(工藤阿須加さん)や武田(水川かたまりさん)らもそれぞれの人生を歩んでいる。
けれど、その平和な時間を一瞬で壊したのが“黒く塗りつぶされた卒業アルバム”。
6人の顔だけが塗られている――。
何気なくめくったページが、まるで過去からの復讐状のようだった。
あの黒のインクが、22年前に埋められた罪を掘り起こした。
「どの子?」から始まる、猿橋の告発
事件の翌日、高木と桜井が語り合うシーン。
「どの子」――たったこの一言で、過去の傷が蘇る。
猿橋(新木優子さん)が静かに現れ、「私をいじめたこと、覚えてるんですね?」と微笑む。
あの瞬間の新木さんの表情、優しさも怒りもない“空白”の顔が怖すぎた。
「私はよく覚えてますよ。忘れたことなんか一度もありません」
淡々とした口調なのに、心の奥では燃えるような怒りを抱えているのが伝わる。
“閉所恐怖症”という一言で、どれほどの恐怖と屈辱を味わったのかが分かる。
まるで呼吸が止まるような告白シーンだった。
「いじめた側」と「いじめられた側」の記憶のズレ
猿橋のセリフの中で最も刺さったのが、
「いじめられた側は忘れられないんですよ」という一言。
このドラマのタイトル“良いこと悪いこと”の意味が一気に変わった。
“良い大人”になったつもりの彼らは、過去の“悪いこと”を都合よく忘れて生きている。
でも、被害を受けた側には“今も続く地獄”がある。
SNSでも「胸が痛い」「あのセリフ、刺さりすぎる」「静かな怒りが一番怖い」と反響が爆発。
猿橋を単なる“犯人候補”として見るには、あまりにも人間的だった。
間宮祥太朗さんの演技、罪悪感の表情がリアルすぎる
高木(間宮祥太朗さん)が猿橋の言葉を聞いて動けなくなるシーン。
まるで自分の中の“過去の自分”と対峙しているようだった。
罪の意識と、記憶を失ったふりをする自己防衛。
間宮さんの表情の変化が、すごく繊細だった。
一瞬、視線を落としただけで「全部思い出したんだな」と分かる。
猿橋と高木の間には、“赦し”ではなく“再審”が始まっているように見えた。
“良いこと”も“悪いこと”も、時間では消えない
「昔のことだから」では済まされない。
このドラマが描いているのは、時間では埋まらない“記憶の傷”。
SNSでも「大人になっても消えないものがある」「忘れていい記憶と、忘れちゃいけない記憶がある」と考察が続出。
“6人が塗りつぶされた理由”が、単なる事件の伏線ではなく、
“誰が本当の加害者で、誰が被害者なのか”を問い直す仕掛けになっている。
猿橋を「復讐者」に見せかけて、“語る側”として描く脚本が見事。
まとめ
第1話は、懐かしさから一気に地獄へ突き落とす衝撃の導入だった。
間宮祥太朗さんと新木優子さんの静かな対峙が、まるで法廷のように緊張感を生む。
「覚えてますか?」というたった一言で、22年前の罪が蘇る。
猿橋園子の「いじめられた側は忘れられない」は、今期一番の名台詞。
“良いこと悪いこと”の境界を曖昧にしたまま始まったこの物語、
ここから誰が本当に裁かれるのか、次回が怖いほど気になる。
(あやぴょん)