絶対BLになる世界VS絶対BLになりたくない男 ファイナル 第1話 感想文(ネタバレがあります)― “花粉”と“偽装”という小さな戦場で、モブの必死の抵抗が始まる

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BL世界に抗う“モブ”の日常が動き出す

第1話では、主人公“モブ”(犬飼貴丈)が、「自分はこの世界でBがLする(=BLになる)ことだけは絶対に避ける」と決意していることが改めて示されました。卒業式、花見、そして花粉症という“日常の風”すらも、恋愛フラグの温床となるこの世界で、モブは“群衆の一人”ではなく、「背景キャラとして存在し続ける」ためにあらゆる作戦を仕掛けます。
例えば、同級生・菊池(伊藤あさひ)と高校生・旗野(世古口凌)からの告白という白昼夢に苛まれ、次の瞬間「花粉症」というリアルな敵に直面する構図が、この回の序章として巧みに機能していました。

良かったこと

コメディとしての設定の鮮やかさ

「花粉症=BLフラグ立ち危機」という発想が非常にユニークで、普通の日常が突然“BL世界のトラップ”に変容していく感覚が面白かったです。眼が潤み、くしゃみが出る――これだけでも「相手が気になる」というサインになり得るというメタ的ギャグが効いていました。
モブがマスクを二重にしたり、花粉情報を気にしたり、周囲に異変を警戒する姿は、“BLフラグ回避”という目的がこんなにも日常的に可視化できるのかと驚かされました。

偽装というテーマの導入がサブプロットとして効いていた

「偽装」――モブが大学講義室で同級生・小賀(小野寺晃良)から「恋人のフリをしてほしい」と頼まれるくだりは、まさに“偽装”という言葉が指す意味の広がりを感じさせました。恋人偽装、アリバイ偽装、耐震偽装といった言葉が並び、「この世界では“本物”より“見せかけ”がむしろ愛を動かす」という皮肉めいた構図が提示されていました。
モブが意図的に「ガタイのいい竹原(徳永智加来)に頼め」と先手を打つ姿も、偽装を使ってBLフラグを回避しようとする“戦略的モブ”として魅力的でした。

気になった・もう少し欲しかった部分

花粉症パートの展開がやや短く感じた

花粉症をBLフラグ回避のトリガーとするアイデアは秀逸でしたが、その後の具体的な回避作戦や、モブが直面した葛藤・被害状況がもう少し長めに描かれていたら、「あ、これはBLになりそう!」という緊張感がさらに高まったと思います。
例えば、潤んだ瞳を花粉症のせいにするモブの内心の揺れや、「くしゃみ=好意のサインではないか?」という自意識の動きなど、もっと掘ってほしかったです。

偽装エピソードのラストにもうひと波欲しかった

偽装恋人を巡るモブの立ち回りは面白かったものの、「竹原に頼んだら想定外の熱い展開が!」というあたりで終わってしまい、もう一段の“モブが追い込まれる瞬間”があれば、BLフラグの重力をより強く感じられたかもしれません。

感想まとめ

第1話は、シリーズファイナルとして“BL世界への抵抗”というテーマをあらためて掲げつつ、「花粉症」と「偽装」という二つの身近なテーマを使ってギャグ的に、かつ緊張感をもって展開されていました。
モブが「背景キャラのままでいたい」という願いと、「この世界で自分だけが染まらない」という決意を鮮明にした回であり、そこに“見えない恋愛の罠”が日常の中に潜むことを思い知らせてくれました。
また、恋人告白の夢から目覚めて「現実の花粉症」に戻るという構成も、コメディとしての切れ味がありつつ、視聴者に「安心してはいけない」という予感を植え付けました。

今後への期待と考察

次回以降、注目したいのは以下の点です:

– 花粉症レベルの日常トラップがどこまで過激化するか。例えば文化祭、合宿、深夜帰宅…など。
– 偽装パートで頼まれた“恋人役”が本物の想いを持ち始める、という展開が来るのか。モブの回避戦略が逆手に取られる瞬間に期待。
– モブ自身が誰かに好意を抱く可能性が出てくるのか。それとも完全に「背景」「被害者」ポジションで戦い続けるのか。
– そして“ファイナル”というタイトルにふさわしく、シリーズ全体で積み重ねてきた“フラグ回避”のセンスがどこまで極まるか。モブが“勝利”するなら、それはどのような形なのか興味深いです。

このドラマは、BL世界の定石を知ってしまった男の「抵抗」と「日常の異変」をギャグと緊張を交えて描いています。第1話は、その戦いの幕開けとして非常に強い印象を残してくれました。
ぜひ次回も楽しみにしています!
(あいちゃん)

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