最終話、前半は王道の総力戦だと思って見てたのに、後半で感情が一気に置いていかれた。
二宮奈美(沢口靖子さん)の明るさと芯の強さに引っ張られて、ディクト全員が本当に頼もしく見えた分、ラストの衝撃が重い。
シリーズものの締めとしても、かなり攻めた展開。
安心して見てた気持ちを、きれいに裏切られた感覚が残る最終話だった。
ディクトを鼓舞する奈美の言葉が胸に残る
情報がつかめず、不安が広がる中での奈美(二宮奈美/沢口靖子さん)の言葉が力強い。
「どんな人間も情報を完全には消せない」というセリフが、ディクトの軸そのもの。
山内徹(横山裕さん)たちの表情も、そこから少しずつ前を向いていく。
ベテラン刑事としての経験と、人を信じる姿勢がちゃんと両立してるのが奈美らしい。
最終話でも、この人が中心にいる安心感は揺るがなかった。
首相・杏子と母としての葛藤
桐谷杏子(板谷由夏さん)が置かれた状況が、想像以上に過酷。
総理としての責任と、母として娘を救いたい気持ちが正面からぶつかる。
50兆円の無償援助という要求が、個人の問題じゃなく国の選択になるのが重すぎる。
誰か一人を救うために、国を危険にさらせないという決断。
この葛藤があったからこそ、後の展開がより苦しく刺さる。
音声データから導く居場所、ディクトの真骨頂
久慈の音声に混じった、わずかな振動音に気づく奈美。
トンネルを通る電車の音だと見抜く流れが、情報犯罪捜査らしくて痺れる。
清水紗枝(黒島結菜さん)がそこから一気に場所を特定する連携も気持ちいい。
地道な観察と分析の積み重ねが、ちゃんと結果につながるのがこのシリーズの良さ。
ここで「勝った」と思った人、多かったはず。
久慈逮捕、それでも終わらない違和感
山内(横山裕さん)が久慈幹二(池内万作さん)を逮捕する場面は、ひとまずの達成感。
でも、久慈が「マニュアル通りに動いただけ」と語ることで、違和感が残る。
黒幕にしては空っぽすぎる。
カナの居場所も分からないままという事実が、ずっと引っかかる。
この時点で、まだ何かあるって空気は漂ってた。
黒幕はカナ、その事実が重すぎる
レンガラに向かった杏子の前に映し出される、娘の笑顔。
誘拐されていたはずのカナ(白本彩奈さん)が、すべて仕組んだと明かす瞬間、言葉を失った。
被害者だと思っていた存在が、加害者だった衝撃。
母を追い詰め、国を揺るがしながらも、どこか無邪気な表情なのが怖い。
この展開、想定できた人ほぼいないと思う。
責任を取る杏子と、終わらない悪意
杏子(板谷由夏さん)が総理を辞任する決断は、逃げじゃなく覚悟に見えた。
それでも、カナはテロ行為を続ける。
親が責任を取っても、子の暴走は止まらないという現実が突きつけられる。
正義も家族も、簡単には割り切れない。
後味が苦いのに、目を逸らせないラストだった。
まとめ
最終話は、シリーズの中でもかなり挑戦的な終わり方だった。
二宮奈美(沢口靖子さん)という主人公の強さと優しさが、逆に無力に感じる瞬間がつらい。
黒幕がカナだったという事実は衝撃だけど、この物語が扱ってきた「情報」と「人間」の怖さを象徴してる。
スッキリはしないけど、簡単に忘れられない結末。
見終わったあと、しばらく考え込んじゃうタイプの最終話だった。
(ゆめのん)
