『絶対零度~情報犯罪緊急捜査~』第3話、沢口靖子×一ノ瀬颯コンビの絆が光る回(感想)(ネタバレあり)

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第3話は、シーズン5の中でも特に“人間ドラマ”の部分が濃かった。
主人公・二宮奈美(沢口靖子さん)が、若き巡査部長・南方睦郎(一ノ瀬颯さん)とともに挑むのは、顔の見えない情報犯罪。
けれど今回は、AIやサイバーではなく、“人の弱さ”と“正義の揺らぎ”がテーマだった。
タイトルは「法の網をすり抜ける悪徳ビジネス」――現実でも起こりそうな、静かで残酷な犯罪。

法を利用する“善人の顔をした悪”との戦い

「ネッブス」と「黒澤ホールディングス」。
どちらも一見クリーンで、きちんとした企業に見える。
けれど裏では、資金難の町工場や老舗店を食い物にしていた。
黒澤(今井清隆さん)の教祖的カリスマと、“信頼の形をした罠”の構造がリアルすぎて怖い。
宗教、税理士、承継ビジネス――どれも現実に存在する言葉だからこそ、ドキッとする。

奈美(沢口靖子さん)の「正義は遅れてでも届く」という台詞が、静かな怒りを含んでいた。
彼女の柔らかい声にある芯の強さは、このシリーズの魂そのもの。
今回も“誰かのために怒れる刑事”としての姿が光っていた。

南方(一ノ瀬颯さん)と上村(松岡広大さん)の友情が切ない

今回の中心は、南方の過去と“友の裏切り”だった。
大学時代の親友・上村(松岡広大さん)が、まさか事件の鍵を握る人物になるなんて。
南方が「なんで相談に乗ってやれなかったんだろう」と後悔する場面、
そして上村が「もう逃げられない」と呟く場面。
どちらも胸が痛い。

上村は悪人ではなかった。
ただ、悪に巻き込まれ、抜け出せなくなった普通の人だった。
奈美が「あなたはまだ間に合う」と声をかけた時、
沢口靖子さんの声の温度が一気に人間くさくなって、思わず涙腺が緩んだ。

でも、上村は救われなかった。
水原の息子に刺されるシーンは、衝撃よりも虚しさが勝った。
“正義のために動いた人間が報われない”という現実を突きつけられる展開。
『絶対零度』らしい残酷なリアリティ。

黒幕・黒澤ホールディングスの“静かな脅威”

ラスト、佐生(安田顕さん)の判断で捜査が中止になる展開にはざわついた。
「今はまだ動く時じゃない」――
その一言に、政治的圧力や裏の取引の匂いが漂う。
DICT(ディクト)のメンバーが悔しさを押し殺す表情も印象的だった。

黒澤道文(今井清隆さん)は、まるで闇の支配者。
信者を利用し、金を吸い上げ、政治家までも巻き込む。
宗教と経済の裏にある“構造的悪”を描く脚本が見事だった。
この物語、単なる事件解決ドラマじゃなく、“日本社会の裏側”を描いている。

沢口靖子さんの“優しさに潜む強さ”がシリーズの軸

沢口靖子さん演じる二宮奈美のキャラクターは、まさに“光”。
表情が穏やかでも、誰よりも怒っている。
優しさの裏にある強さが、毎回じんわりくる。
一ノ瀬颯さんとの年の差バディも自然で、信頼と成長が回を重ねるごとに深まっている。
奈美が南方に「正義は人を守るためにあるのよ」と言うシーン、
“絶対零度”という冷たいタイトルの中に、確かな温度を感じた。

SNSの反応:「上村が不憫すぎる」の声続出

放送後、Xでは「上村が不憫すぎて泣いた」「せっかく協力しようとしてくれたのに」「救われなかったのがつらい」といった投稿が溢れた。
視聴者みんな、彼を責められなかった。
正義と悪の線引きがあいまいだからこそ、この作品は心に刺さる。
そして、「佐生の真意が読めない」「裏にもっと大きな陰謀があるのでは?」という考察も急増。
第4話以降、DICT内部の動きにも注目が集まりそうだ。

まとめ

第3話は、「正義とは何か」を静かに問いかけるエピソードだった。
上村の死を無駄にしないために、奈美と南方がどう動くのか。
そして、佐生の決断の裏に何があるのか。
“法では裁けない悪”をどう追うのか――。
沢口靖子さんの温かさ、一ノ瀬颯さんの真っ直ぐさ、安田顕さんの冷徹さ。
それぞれの正義が交錯して、物語はいよいよ核心へ。
(ゆめのん)

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