ふたりエスケープ 第5話 感想文(ネタバレがあります)― 金沢ルーレット旅で見つけた“選択”の意味

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ルーレットが導いた“現実逃避”の旅

第5話では、先輩(岩本蓮加)と後輩(冨里奈央)が、仕事と生活のはざまで“旅”という選択をする姿が鮮やかに描かれていました。後輩が担当編集に電話して締め切りを延ばしてもらった後、その電話中にオムライスを描いていることに先輩が気づき、「漫画家は選択の連続」という言葉に展開します。そこで、始発で新幹線に乗って金沢へ出発。旅先でもルーレットで行き先や食べるものを決め、自由と責任の狭間を二人で体現していくという、軽やかなようで深いストーリーでした。 :contentReference[oaicite:2]{index=2}

良かったこと

“選択”というテーマの可視化

「漫画家は選択の連続」という言葉が、締め切り・旅・食べ物という具体的なシーンと結びついていたのがとても良かったです。後輩の電話&オムライスという日常の一コマから、「このままでいいのか」「何を選び、何を捨てるのか」という問いが浮かび上がってきました。旅という非日常が、その問いを浮き彫りにしていました。

先輩・後輩の“距離”と“支え”のバランス

後輩が危機的状況(締め切り)に直面している中、先輩はその場でそれをただ手伝うのではなく、「逃げてもいい」「旅に出よう」という選択肢を提示します。そして旅先での二人の様子が、支え合いながらもそれぞれのペースを尊重している感じが伝わってきて、そのバランス感がよかったです。

気になった・もう少し欲しかった部分

金沢での旅の描写がやや駆け足だった

旅そのもののロケーションや金沢の風景・文化がもっと映えても良かったと思います。ルーレットを回すというアイデアは面白いのですが、その結果として「金沢へ行った」「オムライスを食べた」という描写が少しあっさりしていて、そこでもう一段“旅の味わい”を感じたかったです。

後輩のオムライス描画の意味がもっと掘れていれば

電話をしながらオムライスを描いていたという描写は印象的ですが、その意味合い(食べたいもの/描きたいもの/逃げてるもの)がもう少し明確になると、後輩の内面がより深く伝わったように思います。オムライスがただの“描くネタ”ではなく、後輩の“望み”や“選択”の象徴だと感じたので、その象徴性をもっと展開してほしかったです。

感想まとめ

第5話は、「仕事・逃避・旅・選択」というテーマが軽やかなタッチで展開されつつも、視聴者に「自分なら何を選ぶか?」という問いを投げかける良い回でした。
締め切りに追われる後輩と、無職を自称する先輩という一見アンバランスな二人が、旅を通して互いの生き方・価値観を確認し合う姿が、コメディとドラマのちょうど良い塩梅で描かれていました。
「ルーレット」という偶然性の装置が、二人の“逃げる/向き合う”という対比を象徴していて、終盤には「選択=行動」に結びついていたのが印象的です。

今後への期待と考察

次回以降、私が注目したいのは以下の点です:
– 後輩が「選択の連続」でどのような結論を出すか。旅先で浮かび上がった問いを仕事や日常にどう持ち帰るか。
– 先輩が“無職”を自称しながらも後輩の背中を押す役割を続ける中で、自分自身の選択をどう再定義するか。
– ルーレット・旅というスタイルが物語の中でどこまで深化するか。たとえば、旅先でのリアルな出会いや失敗がドラマに新しい転機をもたらす可能性。
– 金沢という場所が“逃避先”としてだけでなく、二人にとって「次の仕事」「次の人生」を考えるきっかけとなる場所になり得るかどうか。

このドラマは、軽やかに「現実逃避」を描きながら、「現実と向き合う瞬間」をそっと差し込んでくるところが魅力だと思います。第5話はその魅力を改めて感じさせてくれた回。次回も、ふたりの“逃避”と“選択”の行方を楽しみにしています。
(あいちゃん)

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