第4号、張り込み2回目の日向子(奥山葵さん)が、前回の失敗を胸に「今度こそ!」って挑む姿が健気すぎた。
けどね、真実の方がずっと不器用で、彼女の思い描いた“悪女像”なんてどこにもいなかった。
静かな夜の墓地で息を潜める緊張感、スマホの録音ボタンを押す手の震え。
その全部がリアルで、見てるこっちの肩まで力入ってた。
日向子(奥山葵さん)の再挑戦、夜明け前の張り込み
週刊誌「千石」の新米記者、日向子(奥山葵さん)が挑む2度目の張り込み。
今回は横領事件の裏にいるとされた“謎の女”紫宮さおり(小野寺ずるさん)がターゲット。
墓地での張り込みって時点で緊張感エグいのに、彼女の真面目さがそれをさらに増幅。
「仏心なんて起こすな」ってデスクの北浜(赤ペン瀧川さん)からの伝言が、呪文みたいに頭をよぎる。
夜明けの墓地に一人立つ日向子の背中、覚悟と不安が混ざってて、ドラマというよりドキュメントみたいだった。
阿久津(大倉空人さん)とのバディ感が地味に沁みる
数日前から張り込んでいた阿久津(大倉空人さん)とのコンビ、静かにバランス取れてる感じ。
軽口を叩きつつも、仕事に関しては真剣。
「紫宮は偽名かもな」なんて言いながら、落とした鍵を手がかりにしていくあたり、経験の差が見える。
阿久津が「後は任せた」と言って去る瞬間、急に現場が広くなった気がして、日向子の孤独が強調される。
若手記者の孤軍奮闘感、ちゃんと痛いほど伝わった。
墓地での遭遇、恐怖と使命感のせめぎ合い
早朝4時過ぎ、ついに紫宮(小野寺ずるさん)が現れる。
閉園後の墓地に塀をよじ登って入っていく姿を見て、日向子も追いかける。
もうホラーの領域。
真っ暗な墓地、懐中電灯の光、足音。
恐怖で動けなくなりそうなのに、“職務だから”と自分を奮い立たせる姿に胸が熱くなる。
でも、その瞬間にバランスを崩して姿を現してしまうのが、リアルすぎて息をのんだ。
緊張で呼吸を忘れるシーン。
紫宮(小野寺ずるさん)の告白がすべてを変えた
「そんなことしてないです!」って泣きそうに否定した紫宮。
帽子を取った瞬間、日向子の中の“悪女像”が崩れ落ちた。
派手でも妖艶でもなく、ただの普通の女性。
彼女は祖父の介護費を払うために“モデル”をしていただけだった。
その裏で児島が抱えていた“別の自分になりたかった”という歪んだ夢が明らかになる。
金を使うよりも、SNSの中で「成功者」を演じたかった男。
あまりに人間くさくて、笑えない。
日向子の震える手に、観てる側の罪悪感まで乗ってくる。
記事のタイトルが象徴する、現場と編集のズレ
取材の手応えと、雑誌に載る記事の温度差。
当初は「カネと女のスキャンダル」で売る予定だったのに、最終的に出たのは「中年男の見果てぬ夢」。
“ここまで変わるか…”とつぶやく日向子(奥山葵さん)の声が、現場記者のリアルを代弁してた。
汗と恐怖と葛藤で掴んだ真実が、編集のフィルターを通ってまるくされる。
現実って、こんなにも報われないんだと思った。
久保塚(相馬理さん)の影が次の波を呼ぶ
日向子が「人は誰でも事件に巻き込まれるかもしれない」と感じた直後。
画面の空気がまた冷たくなった。
ベテラン記者の村井(夙川アトムさん)が追っていた指名手配犯・久保塚(相馬理さん)が、夜道で女子学生の後をつける。
静かな恐怖の始まりを予感させるラスト。
安心なんて一瞬も与えてくれない。
第4号、心の余白がまったく残らないまま、終わった。
まとめ
第4号は、“悪”を決めつけることの怖さを丁寧に描いてた。
日向子(奥山葵さん)の成長はまだ途中だけど、その揺らぎこそが彼女の強さ。
紫宮(小野寺ずるさん)の静かな涙と、児島の歪んだ夢。
全部が一枚の週刊誌の紙面に収まってしまうことが、なんだか皮肉で切ない。
「スクープ」って言葉の裏にある人の体温、ちゃんと見せてくれた回だった。
(ゆめのん)

